#31【野球選手へ】ボディメイク筋トレは競技力向上に“最適”ではない理由|トレーナーが解説

トレーニング

はじめまして。パーソナルトレーナーのMOTO(モト)です。

東京都世田谷区でパーソナルジムを運営しながら、野球――特に“投手向けのパフォーマンスアップ”に関する情報を発信しています。

現役野球選手のあなたは、今、どんな目的で筋トレをしていますか?

今日は、最初にひとつ質問です。

ボディメイクの筋トレは、野球に活きると思いますか?


💡 この記事の結論(30秒で理解したい方へ)

結論から言います。

野球の競技力向上を最優先に考えるなら、“ボディメイク中心の筋トレ”は最適ではありません。

  1. 目的が違う: ボディメイクは「筋肉を魅せること」がゴール。野球は「動作に活かすこと」がゴールです。
  2. 回復量が違う: ボディメイクプログラムは、野球の技術練習量が想定されていないため、疲労が蓄積し故障リスクが上がります。
  3. 最重要事項: 「目的」を明確にしないまま、流行やなんとなくでトレーニング方法や回数を選んではいけません。

■ ボディメイクと競技力向上は同じではない

私は学生時代(2014~2015)、ゴールドジムで約2年間トレーナーをしていました。

そこではボディビルやフィジーク(普及し始め)の選手が多くトレーニングしていて、彼らと接する中で、「ボディメイク」と「アスリートの身体作り」は似ているようで全く違うものだと気づきました。

結論として、野球の競技力を上げる目的なら、“ボディメイク中心の筋トレ”は最適ではないと考えています。

もちろん「一部の学生が筋トレで急成長」という例もありますが、それは“結果オーライ”であり、再現性が高い、万人に推奨できる方法とは言えません。

■ ボディメイク的筋トレの問題点

今回の記事でいう「ボディメイク」とは、かっこいい身体を作るためのトレーニングを指します。

同じ“筋トレ”という言葉でも、目的によってプログラムは大きく変わります。例としてスクワットを考えてみましょう。

🎯 目的が変わればフォーム、内容は変わる

スクワットは目的によって、以下のように狙いが全く異なります。

目的主な狙い特徴的なポイント
筋肥大(ボディメイク)筋肉に効かせるフォームが多少崩れても高ボリュームで「効かせる」ことを優先してもOK
最大筋力向上高重量を挙げる最大挙上重量(1RM)の更新
パフォーマンス向上競技動作に活かす動作速度や身体の連動性、動作の特異性を重視

目的が変われば、フォーム、ボリューム、セット数、意識するポイントも変わってきます。

例えば、ボディメイク目的なら多少フォームが崩れても高ボリュームで「効かせる」ことが優先されることがあります。しかし、野球のパフォーマンス向上を狙うなら話は別です。

■ なぜ野球選手にボディメイクメニューは合わないのか

ボディビルやフィジーク選手のプログラムは、トレーニング(筋肥大)がゴールです。

一方で野球選手は、

  • 投球
  • 打撃
  • 走塁
  • 守備練習(ノック)

など、週内で多くの「技術練習」も行います。

野球の練習量が計算されていない危険性

ボディメイクのプログラムには、野球の練習量が全く想定されていません。

そのまま真似すると…

  • 回復が追いつかない
  • 疲労でフォームが乱れる
  • 故障リスクが上がる

という問題がすぐに起きてしまいます。

「シックスパック=体幹の強さ」ではない

これは「体幹トレーニング」でもよくある話ですが、シックスパック=体幹の強さではありません。

野球に必要なのは、**“動作中の体幹の安定性”**です。見た目の腹筋が割れているかどうかではなく、投球や打撃の動作中にどれだけ力を伝えられるかが重要になります。

■ 野球選手に必要なのは「目的→方法」の順番

大切なことはただ一つ。

自分は何の能力を伸ばす必要があるのか?

ここを明確にしなければ、適切なトレーニング方法は選べません。

トレーニングには「特異性の原理」という原則があり、狙った能力に合う方法でしか成長しません。

  • 最大筋力を上げたいなら高重量
  • 筋肥大なら8〜12回
  • パワー発揮なら中重量×高速度

というように、野球のパフォーマンス向上を狙うなら目的 → 方法 の順で考えることが必須です。

今の時代、情報があふれているせいで「なんとなく」「流行ってるから」「SNSで見たから」という理由で筋トレを選ぶ選手が非常に多いです。そして特にボディビル的メニューを丸ごと採用する野球選手は、パフォーマンス向上という目的からズレてしまっているケースが多いのです。

■ ボディメイクを全否定しているわけではない

誤解のないように言っておきますが、

ボディビルやフィジーク選手の知識には学ぶべき点が非常に多いです。

  • 食事管理
  • 効かせる技術
  • 筋肥大のメソッド

などは、アスリートにとっても非常に参考になります。

ただし、丸ごと採用するのではなく、目的に合わせて“選択して”取り入れるべきということです。

どちらが良い悪いではなく、「目的の違い」が手段を変えるだけの話です。


[合わせて読みたい] 興味があればこちらもぜひ。 → #24 使える筋肉と使えない筋肉|ただ王道あるのみ


私の夢:野球選手はじめアスリートのための大衆ジムを作りたい

私は将来的に野球選手やアスリートのための専門ジムを作りたいと考えています。

イメージとしては、ドームアスリートハウスのように、ボックスジャンプが出来たり、ダッシュトレーニングができたり、メディシンボールが投げられたりといった、競技力向上に特化できる環境です。(今考えたら母校の順天堂大学のトレーニングルーム最高だった…)

まだまだ先かもしれませんが、実現したい大きな目標です。

■ まとめ

  • ボディメイクと競技力向上は目的が違う。最適解も違う。
  • ボディメイクのプログラムは野球練習量を想定していないため、回復不足や故障のリスクがある。
  • 食事管理や筋肥大の知識など、学ぶ価値はあるが、丸ごと真似するのはNG
  • 目的を明確にしてからトレーニング方法を選ぶことが最重要である。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

私自身、ボディメイクの世界も好きですし、大会結果もチェックします。将来的には挑戦することもあるかもしれません。

ただ、パーソナルトレーナーとして、「野球のためのトレーニングの組み方は変わる」という事実を今回はお伝えしたかっただけです。

あなたのトレーニング選びの参考になれば嬉しいです。

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自己紹介
MOTO(モト)/東京
パーソナルジム STRENGTH & STRETCH 経営
SNS総フォロワー 5万人超。YouTube・X・Instagram・TikTok・ブログで情報発信中
トレーナー歴11年、ゴールドジム・Dr.ストレッチでの経験を活かし、

ボディケアとパフォーマンス向上をサポート

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