こんにちは!MOTOです!
普段は渋谷区恵比寿でパーソナルジム
STRENGTH&STRETCHの代表として働いています。
現在学生で将来トレーナーとして働きたい、あるいは社会人でフィットネスに関わる仕事をしている、またはフィットネス業界に挑戦したいという方にとって自分のジムを持つことが夢だという人も多いのではないでしょうか?
最近は若手のトレーナーや学生トレーナーから、独立するためにどうしたらいいのかという質問をもらうことが増えました。
私はカリスマタイプではないので専門性も実績も人並みですが、コツコツと行動して一応20代で独立して店舗を構えるところまでは来ました。
今回は
「自分で店舗を持つには?」
というテーマの話をしてみようと思います。
ただし、裏技のようなものを知っているわけではないので過度な期待はやめてくださいね。
あくまで私のような凡人でも達成できた方法の話をしていきます。
まず学生が将来トレーナーとして活躍したいと考えている場合、独断と偏見が入りますが多くの方は下記4パターンに当てはまることが多いのではないでしょうか。
1.プロアスリートのトレーナーになる
2.学生、企業スポーツのトレーナーになってチームを全国区にする
3.どこかに所属したパーソナルトレーナーになる
4.自店を構えてお店を経営していく(ジャンル問わず)
さて、便利なのでトレーナーという言葉を使っていますが、ここでいうトレーナーは1と2ではS&Cコーチのことを指しています。身体の能力を伸ばす役割の人という意味です。
ある意味、比較的ハードルが低いのがパーソナルトレーナーになることです。
パーソナルトレーナーになるために資格を持っていて優遇されることはあるかもしれませんが、資格を取ったからといって一生安泰というような楽な道ではありませんし、資格がなくてもなれるのがトレーナーという職業の特性です。
たまにNSCA等トレーナーの資格をとるためのスクールの広告を目にします。
金額が50~100万円近くのものが多いイメージです。私は少なくともそういうものは一切受けていませんが、独立することが出来ています。率直な意見はスクールもビジネスだからなーと思っています。
資格についてどう考えているかはまた別の記事で書こうと思います。
パーソナルジムを経営するにあたって最も必要な力とは何か?
優秀なトレーナーとはどんな人物でしょうか?
これは所属先によっても期待される内容が異なります。
例えば、NPB(プロ野球)の球団に所属した場合は雇用してもらった代わりに、球団の勝利に貢献すること…「結果を出す」ことがいいトレーナーの条件となります。
では、結果を残すために必要なこととはなんでしょうか?
知識?経験?人間性?
どの言葉で説明しようとしてもそれだけでは不充分です。
しかし、NPBのようなスポーツ界のトップの世界では結果を残せなければすぐに首を切られると思います。しかし、街中で見かけるようなジムに所属していて、多少結果を残せなかったとしても首を切られることは稀でしょう。
NPBの例は極端かもしれませんが、いいトレーナーとは一言で説明するのが難しいです。
どこに所属するにしてもトレーナーという職業に究極の正解などなく、一生自己鍛錬を積んでいく必要があります。
学ぶことをやめたら、この世界では教えることをやめるべきです。
ですが、企業にしろ学生の部活動にしろ、どこかに所属したのであれば自分一人の考えだけで動くわけにはいきません。組織の色に順ずる能力と自分の色を出すバランス感覚が必要でしょう。
私の場合は自分勝手な色が少々強めなので、組織に所属するのはやや苦手です。
そして、踏み切ったのが独立…この立場になれば全ては自己責任となるので気持ちは楽になりました。
そして、組織に所属するのではなく、あなたの力で自店を経営するとなると最も重要な能力には正解があります。
それは「集客力」です。
パーソナルトレーニングと聞いてあなたの頭に浮かぶジムはどこでしょうか?
もし、STRENGTH&STRETCHが最初に浮かんだという人には初回セッションの割引率を上げます(笑)
私はライザップ、24/7、トータルワークアウト…この辺りが思い浮かびました。
ライザップについてはこのブログを読んでいる人で知らない人はいないのではないでしょうか?
あれだけTVにCMを打ったパーソナルジムを私は他に知りません。
24/7はライザップのライバル企業であり2019年にはライザップと同じく上場を果たしており、この2社はパーソナルジムの中では異色の存在と言えます。
両方の1ヶ月の料金を見てみましょう。
ライザップ | 24/7ワークアウト | |
---|---|---|
入会金 | 55,000円 | 41,800円 |
料金 | 327,800円 | 215,600円 |
トレーニング時間・回数 | 1回50分/週2回/計16回 | 1回75分/週2回/計16回 |
合計金額 | 382,800円 | 257,400円 |
有名なだけあって高価ですね。(当店は16回のセッション166,700円)
もし、STRENGTH&STRETCHでこの料金でやったとしたら、集客力のなさと入会のハードルの高さから3ヶ月以内に閉店となりそうです。
上場するくらいですから規模としては年間の営業利益を10億単位で稼いでいるでしょう。
私の経営するジムとこれら有名なジムではブランド力に雲泥の差があります。
それだけ広告費や設備などに莫大なお金が費やす力があるからです。
そして、これだけ知名度が上がれば信頼値も自動的に上がります。
私のように小規模で店舗を構えた場合は広告費があまりかかっていない分簡単でしょうか?
全くそんなことはありません。
集客力の弱さの克服が今まさに戦略を考えている分野です。
集客するために浮かぶ方法とはどんなものでしょうか?
チラシを配る、SNSを利用する、ホットペッパービューティーのようなツールに載せてもらうといった方法でしょうか?
最も手軽にできるのがSNSの利用でしょう。
ですが、フォロワーが増えるほどジムに来てもらえるというほど単純な話ではありません。
根拠を示すのは簡単です。
著名なトレーナーの発信をあなたがSNS上で見たときに、
そのジムに行って一定期間、通ってみたことはありますか?
恐らく実際に足を運ぶのは100人に数人程度でしょう。
興味を持つことと実際に足を運び続けることには高いハードルが存在します。
集客力について重視していることは後ほどまとめます。
ジムを持つために優先して考えるべきこと
さて、集客が難しいという話は理解してもらえたでしょうか?
この記事を読んでいる方の多くはまだ店舗を持つ前でしょうから、改めてジムを作るまでの道程を考えていきます。
学校を卒業していきなり店舗を構えるというスーパーマンは一部存在するのかもしれませんが、私の周りではそんな存在は知りません。
どんなに凄い人でもこの世界は経験を積む期間があります。
若ければ若いほど、その経験をどこを積むかは自由で正解はありません。
最初から戦略的に行けるに越したことはありませんので考えられるなら理想です。
私は能力が平凡で、しかも楽観主義なところがあって、その辺はやや詰めが甘かったと反省しています。
経歴をまとめると、学生時代にアルバイトとしてゴールドジムでトレーナーを2年間経験、その後、商社で営業職を3年間経験したのち、Dr.stretchでアルバイトとして2年半、アルバイトと並行して個人事業のトレーニング指導やそのほか副業を2年間。
ひとつだけ自慢があるとすれば、働いていた当時はDr.stretchの中でTwitterのフォロワーが日本一多かったです。そのため、たまにフォロワーの方がお店に来てくれたことがありました。
Dr.stretchでアルバイト契約と知っていた人はあまりいないかもしれません笑
そして、昨年の夏に独立して自店STRENGTH&STRETCHを設立しました。
ジムの作り方の具体的な手順等については以前NOTEで有料記事(200円)を書きましたので参考にしてください。
NOTE:私はこうジムを作りました(ノウハウ)
商社で営業として働いていた期間はフィットネス界に携わる夢を捨てた期間だったので、戦略的に考えていたわけではありません。そこから軌道修正できたのは周りの人に恵まれ、非常に運がよかったなと感じています。
経験を積んでいよいよ独立するかというタイミングで、よーく考えたのが
一定期間、ジムを確実に経営できるか「手札を駆使して勝負できるかどうか」でした。
自分が何を提供するかよりも大切なことはなんでしょうか。
それはニーズです。
ここで多くの人が間違えてしまうだろうなと思うのが
「こんなサービスなら人が来るだろう」
「なるべく小規模で初めて初期費用を抑えて小さくやっていけば良い」
というように提供するものを先に考えてしまうことです。
たしかに何を提供するかは大切ですが、順番を間違えてはいけません。
例えば、なるべく安い器具を揃えてなるべく安い家賃で固定費はこれくらいになるからセッションの金額はこれくらいにしようという組み立て方ではニーズとのバランスが合うか分かりません。
いくらかかったから、かかるから、金額はこれくらいと考えるのはNGです。
ビジネスの原則はニーズが先です。
こういうサービスにすれば人が来るだろうという考え方は、あなたの妄想が邪魔をして頭の中に架空の顧客を作り上げます。
自分が提供したいサービスを優先するのではなく、あくまで顧客からの視点が大切です。
ニーズがあって商品があって、その商品にはどの程度の価値があると感じてもらえるのか。
この視点で見なければ上手くいく可能性は低くなってしまいます。
もちろん私もジムを作るのは初めてだったので経験不足のところはあるでしょうから、肌感覚で理解できることを整理しながらニーズを分析していきました。
まず理想と離したのは「アスリートのためのジム」ではなく「地域に根差すジムにする」ことでした。もちろん設備は充分に整っているのでアスリートのための「トレーニング指導」もできますが、ニーズが見込めたのは「ストレッチの施術」の方が大きかったです。
恵比寿で2年間Dr.stretchで働いていたので、少なくとも恵比寿という土地にそういった需要があることは分かっていました。また、これと同程度のサービスであればどの程度の価値があるかも。
Dr.stretchは私が働いている間も順調に全国に店舗数を増やしていました。
中でも恵比寿や中目黒の店舗は全国の店舗の中でもランキング上位常連…
この土地に少なくともまずは「ストレッチ」のニーズがあることは見て取れました。
その次に料金の設定です。
個人店の場合は集客力こそ弱いものの、お客様と一対一だからこそストレッチ業界最大手のDr.stretchと比べたとしてもサービスの質は負けないという判断をしました。
わかりづらいかと思うので、下に表をまとめましょう。
Dr.stretch恵比寿店 | STRENGTH&STRETCH | |
場所 | 恵比寿駅徒歩2分 | 恵比寿駅徒歩15分(住宅街) |
料金 | 都度料金(指名含め)60分8,800円(回数券利用7,480円) | 都度料金9,000円(回数券利用7,800円) |
強み | 集客力(知名度)、駅からの距離、予約の取りやすさ | 一貫した技術、個室空間、営業時間の融通 |
弱み | トレーナーの技術のムラ、情報共有、ベッドが並ぶ空間 | 集客力(知名度)、予約の取りづらさ、距離 |
これはあくまで、ストレッチ専門店としての比較です。
STRENGTH&STRETCHの場合にはこれに追加で、パーソナルジムとしての顔を持ちます。
ストレッチは身体のケアとして利用するお客様が殆どで、中には並行してパーソナルジムに通うというお客様も多くいました。
では、それを同じ場所、同じ空間で出来るとしたら?
それは恵比寿という土地にいる人たちにとってニーズが存在することは核心がありました。
私の夢は「アスリートのためのジムのチェーン展開」ですが、STRENGTH&STRETCHはストレッチとトレーニングの2つの価値をこの地域に提供することを前提に作りました。
ニーズがあることを確信できているからこそ、ジムの設立に踏み出し
どの程度の価値があるか分かっていたから値段の設定もスムーズでした。
元々来ることが想定された既存のお客様が一定数いたことも心強かったです。
繰り返しになりますが、ジムを持つために必要なことは
小規模なジムを作ることではなく、ニーズがあるかないかです。
もし、あなたがこれから独立を考えているのであれば
自分がどんなサービスを作りたいかよりも、どんなニーズがあるかを優先すべきです。
あ、でも設備としては十分にアスリートの方にも満足いく指導ができるように器具等を選びました。
地域にフィットネスを提供しつつアスリートのトレーニング指導も引き受ける能力があるのが当店の強みでもあります。
集客力について
ジムをオープンした2021年8月から12月までは、想定通りの売上で推移しました。
もちろん集客力は弱いため予約でスケジュールがパンパンになる…ということはなかったですが地道に少しずつお客様の数は増えていきました。
年明け1~3月はコロナの影響を大きく受けかなり暇でしたが、今月はオープン以来最多のお客様にご来店いただいています。
集客はどうしているかと言うと、ホームページもなく、ジムやサロンの掲載サイト(ホットペッパービューティーなど)も利用せずなので殆どクチコミで増えていっている状態です。
クチコミの紹介は私がジムをオープンした当初から描いていた理想状態です。
あなたは人に何かを勧めるとき嫌なものを勧めるでしょうか?
クチコミでSTRENGTH&STRETCHを紹介してもらえるということは、サービスを良いと思ってもらえている証拠です。私はクチコミのお客様が来てくれるたびに非常に嬉しく感じています。
お金をかけられるならCMを流したり、ビラを配ったり、掲載サイトに載せてもらったり色んな方法があると思います。
ですが、STRENGTH&STRETCHのような一人で経営しているジムは今の状態が健全です。
私のジムでは「あなたの習慣にフィットネスを!」というコンセプトを掲げています。
結局、集客に力を入れると新しく入ってくるお客様と、出ていってしまうお客様の循環が激しくなるでしょう…(予約の時間が被ってしまったり、時間変更が難しくなるため)
本来ストレッチやトレーニングはイベント(ダイエットのために、海で脱ぐ身体のため)ではなく、生涯の健康、快適な毎日のために継続的な習慣に落とし込めているべきだと私は考えています。
残念ながらゴールドジムやエニタイムフィットネスのように、自分でトレーニングをすることが前提のジムでは半年継続できる人が30%、1年間通い続けられる人は10%と言われています。
イベントではなく習慣として継続するハードルは高いと言えるでしょう。
だからこそ、継続が難しいトレーニングを丁寧に教えてくれるパーソナルトレーニングは需要があります。そして、一人一人、一件一件丁寧にセッションを行いお客様に楽しんでもらえれば習慣に落とし込んで継続する可能性が高まります。
毎月沢山の新規のお客様が来なくても、既存のお客様を大切にし、少しずつ紹介をしてもらえればお金をかけるような集客の方法は必須事項ではなくなります。
ゆくゆくは予約がパンパンになり、一人では見切れなくなった時に次の展開、店舗を増やして人を雇うことになるかもしれません。
そして、店舗が増えればお客様を受け入れるキャパが増えるので、その時はお金をかけた集客に踏み切るかもしれません。
しかし、今はこの形式のままが理想というのが私が1年近くジムを経営してみて出した結論です。
独立するのが不安な人へ
パーソナルトレーナーという仕事は良くも悪くも属人的なビジネスです。
上手くいくか行かないかは個人によるという意味ですが、組織に所属している間はそこの意識が薄れやすいかもしれません。
知名度があるほど、看板そのものに集客力があるという話をしました。
独立をしてその後すぐに閉店に追い込まれるパターンがあるとすれば、それは看板の力で集客出来ていたことを自分の力であると勘違いしていたのかもしれません。
美容師やトレーナーのように店舗型のビジネスの世界ではそういったことがよくあるらしいです。
では、どうすればいいのか?
組織に所属している間も、個人で動く行動力を発揮し実力を伸ばしていくことが必要不可欠です。
どこかに所属し、その場所で結果を出すことも確かに優秀であることの証明ですし、その場所ではその能力こそが必要とされるものでしょう。
ですが、その状況に留まっているだけでは看板の力なのか自分の力なのか見極めることは困難です。
私を例にあげれば、Dr.stretchでストレッチトレーナーとして働きつつも、個人事業でトレーニング指導や野球のコーチ業スポット的に行っていました。
稼ぐ力を自分の力で身につけるべきです。
夢食べて生きていけるほど世の中は甘くありません。
さらに個人でも仕事を行なっていたことにより、独立を決意した時点である程度の売上の見込みが保証されていました。また、仮にジムの仕事がなかったとしても動画編集のスキルがあるため食いっぱぐれの心配も少なかったです。
ちなみに1番難しいことは、個人で動く際の最初のお客様を見つけることです。
ではどうするか…お勧めはSNSをまずは伸ばすことです。
少なくとも私は2019年にSNSの発信に力を入れ始めてから、人生がいい方向への回りだしました。
SNSの発信もビジネスの考え方と同じくニーズを分析することから始まります。
SNSの発信力をつけ多少の影響力を身につけたことにより、最初のお客様を見つける部分はかなりスムーズに行き、そこから縁が広がっていき現在の立場へと繋がりました。
最近、独立願望のある方がジムに訪ねてくれることが増えてきましたが、伝えてることは以下のような回答をすることが多いです。
- インプットとアウトプットの習慣をつけること
- アウトプット方法のお勧めは最初はSNSが手軽
- 目的を考えて行動を選択することの重要性
それと同時に本気度が伝わる方には定期的な報告をするように伝えているのですが、継続がなかなか難しいようでなかなか3ヶ月以上報告が続いた人が現れません。(報告待ってます)
まあ、自分の影響力がまだまだ弱いからだと思いますが、少々寂しい。
結局どのようなことを考えるかの思考力よりも、どれだけの行動量を積んだのかの方が100倍大切です。
人間の能力なんて個人間で大した差はありません。
私もまだまだつい習慣をサボってしまう時もありますが、すぐに軌道修正できるように大切にしている考え方(好きな言葉や感謝リスト)を毎日目に入る手帳に書き込んでいます。
心を不安が襲うのは行動量が足りてないからです。
「悩むのは暇な証拠」なんて言葉もありますが、本当にその通りだと思います。
将来どうしようとか、独立自分には無理かもなんて考える暇があるなら、さっさとアクションプランを決めて行動量で穴埋めしましょう。
今までと同じ行動しかしてなければ、今までと同じ成果しか得られません。
私自身まだまだ修行中の立場ですが、これから自分の行動量を結果で示せるように精進していきます。
この記事を読んで心が動いた人と数年後に一緒に働けたりしたら嬉しいですね。
共に頑張っていきましょう。
では、また!
#自己実現
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