#9ロシアは何故ウクライナ侵攻に至ったのか?

歴史

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あなたもご存知の通り、悲しい出来事が現在起こっています。

ウクライナ侵攻です。

大国による戦争が始まってしまったのです。

さて、日本の隣国でもあるロシア。

何故、ロシアはウクライナへの攻撃を始めたのか、意外とこの理由を知らない人が多いのではないでしょうか?

こういった情勢を理解するためには歴史を知る必要があります。

今回は私なりにロシア・ウクライナの戦争の理由を分かりやすく解説していきます。

ロシアの誇り

第二次世界大戦はイタリア、ナチスドイツ、日本が同盟を結び、フランス、イギリス、ロシア、アメリカの連合国軍と戦って負けたというのはあなたもご存知でしょう。

近代からの戦争というのは基本的に勝っても負けても疲弊するというのが定番です。
戦争に勝っても負けても戦争にどれだけ関わったかによってダメージが残りやすくなります。

アメリカがここ20年で以前に比べれば世界への影響力を落としたのも、世界の警察の役割として様々な戦争に首を突っ込んでいたのも関係あるでしょう。

また、国が弱くなると独裁者のような人間が出てくるのは世の常です。

第一次世界大戦で負けたドイツが物凄い金額の賠償を命じられ(200兆円)、世界恐慌も相まって非常に苦しい状況となり、ヒトラーによるナチス政権という凶行が支持をされたというのはあなたもご存知でしょう。

国力が弱まると国を引っ張って欲しいという国民の願いから、独裁者が出てくる…
プーチンもまた「強いロシア」という理想を掲げて台頭してきた大統領です。

ロシアとウクライナがどんな国かを知るには前身であるソビエト連邦を説明する必要があるでしょう。

ソビエト連邦は1917年のロシア革命時に発足しました。この年の革命は二月革命と十月革命というものがありますが、ソビエト連邦が発足したのは十月革命です。

ソビエト連邦とはロシア単体ではなく、15の社会主義共和国の集合体でした。
そして、今回ロシアが主張している通り、ウクライナは元々ソビエト連邦構成共和国の一部でした。

そしてウクライナは1991年のソビエト連邦崩壊と共に独立した国です。

ここで冒頭の第二次世界大戦の話が絡んでくるのですが、ロシア(ソ連)はこの戦争の時に最も戦死者を出した国である事はご存知でしょうか?

ヒトラー率いるナチスドイツはのロシアの首都であるモスクワまでガッツリ進軍し、ロシアは大苦戦を強いられており民間人も含め甚大なダメージを受けていました。

そこから、7ヶ月にも及ぶスターリングラードの攻防戦で何とかナチスドイツを破り、ドイツ本土まで押し返しました。この時だけで双方で200万が死んでると言われてますから、とんでもない戦いだったことが分かります。

最終的に戦争の終盤となる1945年4月にドイツのベルリンを陥落させました。

ナチスドイツを止めるのに1番貢献したのがロシアであり、
ロシアには「ヨーロッパを解放したのは私達だ」という自負があります。

それと同時にヨーロッパの国から侵略される恐怖を味わった訳です。

第二次世界大戦でのロシアの死者は民間人も含めて2000万人に及ぶと言われています。

多大な犠牲を出しながら戦争に勝利をし、ヒトラーという極悪人からヨーロッパの人達を守ったという誇りを持つ気持ちはわからなくもありません。

ところが、第二次世界大戦後はアメリカとの睨み合いが始まりました。

いわゆる、冷戦です。

緩衝地帯が欲しいロシア

世界大戦以前は世界の超大国と言えばイギリスとアメリカでしたが、第一次世界大戦、第二次世界大戦によってイギリスはすっかり疲弊し、世界の超大国と言えばソビエト連邦(ロシア)とアメリカになりました。

この時代にロシアは共産主義の国を固めて、ワルシャワ条約機構という軍事同盟を作りました。

設立時の加盟国(Wikipediaより引用)

ワルシャワ条約機構の対抗策としてロシア(ソ連)を取り囲むようにヨーロッパとの間に作られたのが今回ニュースでたびたびニュースに出るNATOです。

ワルシャワ条約機構はソビエト連邦の崩壊と共になくなりましたが、NATOは存続し続けていました。

ロシアは第二次世界大戦でヨーロッパ(ナチスドイツ)からの侵攻による苦い思いを経験しています。

そのため、ヨーロッパとの間に緩衝地帯(クッション)が欲しいわけです。

ところが、NATOは冷戦解消後も加盟国を増やし続けました。

加盟国 Wikipediaより引用
加盟国の増加(Wikipediaより引用)

ロシアの立場としてはヨーロッパとの間には緩衝地帯が欲しい…万一かつてのドイツとのように戦争が始まったとしても、間の国があればまだ防ぎようがあるわけです。

ロシアはあの広大な面積があるにも関わらず、意外と人口の少ない国で、1億4千万程度です。日本の人口が1億2千万人ですからその少なさが分かるでしょう。

国を守るために軍を配置するにはあまりに人口がそもそも足りなすぎるのです。

アメリカとヨーロッパ諸国を中心に作られた軍事同盟であったNATOをロシアが嫌うのは当然です。

何故、緩衝地帯だった国々がNATOに加盟するかというと、メインは国の安全が保障されることですが、ヨーロッパ寄りの国との関係性が良くなると考えられます。

簡単に言えば

「ロシアよりヨーロッパの方が潤ってるし仲間にならない?」

と誘っているわけです。

ちなみに冷戦中はソビエト連邦を仮想の敵として想定していたNATOですが、冷戦解消後は周辺地域の紛争抑止や危機管理、対テロ対策を実施する枠組みへ変化していきました。

とはいえ、繰り返しになりますがロシアにとってはNATOは気持ちのいい存在ではありません。

ウクライナ侵攻が始まったのは2022年2月24日でしたが、その1ヶ月前にこんなニュースがあったのはご存知でしょうか?

アメリカのアントニー・ブリンケン国務長官は26日、ウクライナ情勢をめぐってロシア側が出していた要求に対し、書面で回答したと明らかにした。ロシアは北大西洋条約機構(NATO)がこれ以上の東方拡大をしないことの法的保証を求めているが、これに応じない考えなどを盛り込んだという。文書は公開されていない。

BBC NEW(2022/1/27)より

これを簡単に言うと

ロシア
「NATOをこれ以上、こっちには絶対近づけないでくれ」

アメリカ
「いやだ、断る!」

という流れです。

そして、ウクライナに対しては

ロシア
「お前ら、絶対にNATOに入るんじゃねーぞ」

と長年言い続けてた訳ですが、NATOは2008年の首脳会議で、ジョージアとウクライナの将来的な加盟を認めました。

つまり、放っておくと将来確実に入りそうだったわけです。

プーチン大統領が今回なぜウクライナの進行を決行したのか、きっかけは分かりませんが恐らくウクライナがNATO加盟と発表される直前だったのではないでしょうか?

そして、当然かもしれませんがウクライナはまだNATOに加盟していなかったため、NATOの加盟国は軍を動かしませんでした。

アメリカは何故動かないのか

先ほど少し触れましたが、大戦後アメリカは世界各地の戦争に首を突っ込んで、「世界の警察」と呼ばれる立場でした。

しかし、軍事力を世界に配置するとなると当たり前ですが相当なお金がかかります。

そのため、オバマ大統領の時代にリバランス政策といって、アジア太平洋地域に軍事力の優先順位を移し、イラクから軍の部分的撤退をしました。

また、とにかく「アメリカ・ファースト」の主張の激しかったトランプ大統領時代にはアフガニスタンからも軍を殆どを撤退。なんならトランプ大統領は一時期「金がかかるからNATOを抜ける!」と主張して世間を賑わせていました。

そして、バイデン大統領は昨年の8月に20年間続いたアフガニスタン戦争を終結させました。

ようするに、今アメリカは戦後長く続いた「世界の警察」という役割をオバマ大統領時代のリバランス政策から10年を費やして身を引きつつある流れの最中だったのです。

世界からの軍の撤退はもちろんアメリカ国民の願いでもあり、このタイミングで起きたウクライナ侵攻にアメリカとしては直接的な手が下せない状態であることは想像に難くありません。

ウクライナ侵攻の着地点はどうなるか

ここからは私の意見が多く入りますが、今後の展開予想です。

さて、今回のウクライナ侵攻さまざまな国がウクライナに対して支援をしてますが、NATO含め直接的な軍の応援はありそうにありません。

他の国の軍の力を借りられないとなると、よっぽどロシアが予想外の苦戦を強いられない限り
ウクライナが降伏するまで手を緩めないと思います。すでに真空爆弾を利用したり、ウクライナ軍の変装をしたりと国際法に触れまくる、なりふり構わない戦い方をしています。

しかし、仮にウクライナが降伏したとしても
ロシアはウクライナを自分の領地にしたい訳ではありません。

あくまでロシアは「緩衝地帯(クッション)」が欲しいだけだからです。

そのため、ウクライナが降伏をしたら恐らく傀儡政治とするべく大統領をロシア寄りの人間にすげ替えるはずです。要するにロシアにとって都合のいい国をヨーロッパとの間に置いておきたいわけです。

もう一つ狙いがあるとすれば、プーチン大統領の政権の継続でしょうか。

プーチン大統領は今回はっきりしましたが誰が見ても独裁者です。

元々、KGB (スパイ)の出身であるということは最近メディアでもよく言われており、どの程度そのことが関係しているか分かりませんが手段を選ばない男というのは以前から言われていました。

大統領に就任したのは2000年からですが、石油を売って得た利益をさも自分の手腕のおかげのような国民への印象操作を行い絶対的な人気を誇っていました。

そして、当時の法律では大統領は4年二期連続までだったので、2008年に一度大統領を退任し首相になりますが、そこの1期あたり6年間に法律を変えた上で2012年から再び大統領に就任しました。

そのため次の大統領選が2024年となるわけですが、近年は経済の落ち込みとともに支持率が低下しておりその対策も兼ねて今回の強硬に及んだのでしょう。

プーチンはかつてのソ連のような国…「強いロシア」を掲げていました。
たしかにプーチンはソ連崩壊で疲弊したロシアを2000~2008年は平均7%を超すGDP成長率で復活させました…

しかし、それはプーチンの手腕というよりは単に原油の価格が3倍以上に膨らんだ影響でした。
そして、「脱・資源依存」が遅れたロシアはコロナの大打撃も受けGDPも大幅マイナス。

このまま行けば2024年の大統領選をプーチンが勝つ可能性は低く、また独裁者が権力的な影響をなくすということは命を脅かされかねないわけです。

仮に今回のウクライナ侵攻による経済制裁がなくても、プーチンは窮地に立たされていた訳です。

もうロシアとしては後に引けない状況…
恐らく、ウクライナの停戦交渉に応じることはないでしょう。

とはいえ、今回のロシア侵攻があまりに非人道的なものであることは言うまでもないでしょう。

今後の注意点

さて、ウクライナ侵攻はどう見てもプーチン大統領の暴走な訳ですが、このウクライナとロシアの関係は中国と台湾の関係と少し似ています。

ここ近年、アメリカと中国は経済的に睨み合いをしていた訳ですが、今回の件で侵略戦争が起きた場合もアメリカが動かないと見た中国が今後どのように動くのかが私は少々心配です。

先ほど述べた通り、今回のウクライナ侵攻の着地点はウクライナが降伏し、ロシアに元々親交的だった権力者へと大統領が変えられると見ています。とはいえ、新しい権力者に移ったとしてもウクライナの国民からすれば、今回のような横暴が行われた恨みがロシアンに向き平穏が戻るまでにはかなりの年月が必要な気がします。

さらに、ロシアには今後厳しい世界中からの経済制裁が続くため、それにより困窮したロシアがどのように暴走していくかもかなり怖いなと思っています。

今回完全なる被害者であるウクライナの国民、民間人からも多数の犠牲者が出ておりニュースを見るたびに心が痛いです。

ウクライナの現状は決して人ごとと考えてはいけません。
楽天がウクライナ人道危機 緊急支援募金というものを現在募っていますので是非お願いします。

一刻も早い平和的な解決を、ウクライナの人達が安心して眠れる夜が1日でも早く来ることを心より願います。

では、また。

#STOPWAR

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