#10_球速を130キロ台後半から140キロ中盤に伸ばした方法

野球

こんにちは!MOTOです!

普段は渋谷区恵比寿でパーソナルジム
STRENGTH&STRETCHの代表として働いています。

こちらのブログでは野球、トレーニング関係以外の情報発信をしていましたが
今回はガッツリ野球の話をしていこうと思います。

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先日、嬉しいことにピッチャーとしての自己最速記録を大幅に更新しました。
2021年までの最高球速は138km/hでしたが、いきなり140km/hオーバーを10球以上記録。

最速は144km/hとなりました。

球速の変遷については元々学生時代は130km/h前後がMAX。
控え選手で殆どリーグ戦でも投げていないため、球速を計測する機会がそもそもありませんでした。

社会人になって草野球でよく投げるようになってから2018年に137km/hを記録。
2020年には138km/hを大田スタジアムで記録。

ちなみにYoutubeでピッチング理論について発信を始めたのが2019年からですが、130後半が出てからは球速を伸ばせずに2~3年並行の状態でした。

投球理論を語るからには自分自身で140km/hはせめて超えておきたいと感じていたので、今回MAX球速を140中盤に持っていけたのは一つの山を乗り越えた充実感がありました。

130後半から140km/hの壁を超えるのに自分自身が苦戦したわけですが、どのようにそこの壁を打破したのか気になっている人も多いと思います。

今回はじっくりと140km/hを投げるために私自身が取り組んだことについて解説していきます。

トレーニング指導を受けてみたい方はこちら➡︎STRENGTH&STRETCHについて

ピッチングフォームで変えた部分

YouTubeでも発信していますが、
投球フォームの要点は

  • いかにして推進力を生み出し(45度フルダウン、トリプルフレクション)
  • 踏込着地でいかに踏み替え(踏込脚側股関節の伸展、キックバック)
  • どのように腕を走らせるか(投球腕のトップの通過、リズム感、力感)

この3つの柱があると考えています。

普段YouTubeでピッチングフォームについての発信をしているくらい、
元々ピッチングフォームに対するこだわりは強い方です。

先に結論をいってしまえば、今回ピッチングフォームについては
変えようとしていた部分をやめて元々の形に戻したという感覚が強いです。

きっかけは冬に一緒にクーニンズの前沢力さん
合同トレーニングしていた時に貰ったアドバイスでした。

投球フォームを変更する前のフォームはこんな感じ。

私のフォームは軸足に重心を寄せたまま推進する軸足重心型のフォームです。
そこでこの時期はダルビッシュ選手を参考にグラブを三塁側に突き出す形に取り組んでいました。

前沢さんからは「立野君は縦回転のフォームだからグラブは前に出した方がいいと思うよ」という言葉をもらいました。

グラブ腕のハンズセパレーションからの動かし方は、個人的に動かしやすい形は前に出す動きでしたが重心を後ろに残すために3塁側に出すというのが意識していた動作でした。

中学生の頃までは前にグラブ腕を出していましたが、高校時代くらいから3塁側に出すように練習し出したと記憶しています。

なので、ここの変更は子供の頃のフォームに戻すという感覚でした。

ただし、それよりも影響を強く受けたのがこの意見。
「みんな、理想のフォームがあるって思ってるじゃんか、実際はそんなものはないよ」
「ある程度の共通項はあると思うけど、自分の能力を引き出すフォームは唯一無二」

ちょうど自分の投球フォームをより綺麗に綺麗にと求めた結果、どんどん投球の感覚がわからなくなっていたタイミングだったのでこの言葉は青天の霹靂でした。

綺麗な形、理想の形に自分のフォームを落とし込むのではなく
力を発揮しやすい形を自分で感じ、自分の感覚の合う方向へフォームを修正していくというのが今取り組んでいるフォーム矯正です。

色々冬の期間に試してみたのですが、シーズンが始まった現在はこんな形で投げています。

ちなみに現在のフォームは昨年まで私が目指していた形とは違います。

投げやすさ、ボールを指でリリース時に上から抑えられる形を求めていった結果こうなっています。
そして、この形にしてから自己最速を更新しました。

まだ、納得する球は投げられていないのでまた今後変更するかもしれませんが、その際にはなぜ変えたのかをTwitter等で発信しようと思っています。

今、球速が伸び悩んでいると言う方は「理想のフォーム」という幻想に囚われすぎていないか見直してみると意外と壁を突破できるかもしれません。

トレーニングの価値観

フォームの変化よりも球速に直結したなと感じているのがトレーニングです。

私のトレーニング理論は徹底的に基本を重視します。
そこは今も根本は変わりありません。

ただし、トレーニングについても自分の中の常識に囚われていたなと感じます。
簡単に言うと正しく行おうと自分の常識の枠に閉じこもっていました。

ここの固定観念を壊してくれたのが、前沢力さん、あと昨年のチームメイト岩岬稜選手です。
岩岬は今年から群馬ダイヤモンドペガサスでプレーしています。

彼ら素晴らしいアスリート達との合同トレーニングのおかげで
トレーニングに対する意識が数段階高くなった実感がこの冬はありました。

トレーニングを競技に繋げられる優れた選手達は感覚の部分が優れていると強く感じます。

前沢さんと岩岬のトレーニングに対する考え方は共通点が多いようでした。

他にもこの冬は他にも陸上競技の十種競技日本代表である右代啓祐さんのトレーニングを間近で見たり、元ソフトバンクホークスのトレーナー中原啓吾さんのお店へ通ったり、球速UPの投稿をよく見かける北川雄介さんのお店へ行ったりしていました。

「百聞は一見にしかず」

こんな言葉がありますが、やはり結果を出す人達の取り組み方というのは一味違います。

私は恐らく遅筋型(父親は元マラソン選手)で動作速度は遅く、食の太い痩せ型で筋肉がつきづらいなと感じていましたが、これらは所詮言い訳で

彼らを見て「まだやれること、やるべきことをやり切れていない」ということを学びました。

トレーニングに対する固定観念はこの冬で完全に壊されました。

爆発力の向上のために

私がこの冬にひたすら目指したのがクイックリフトを軸とした爆発力の向上です。

クイックリフトといえば、スナッチ、クリーン、ジャークこの3種目が有名ですが、私がこの冬に精力的に取り組んだのはクリーンです。

はじめは40kgから始まりましたが、現在は80kgまで挙上できるようになりました。

2020年までもクリーンは試合日の前日等に取り組んでいましたが、
40kg程度までしかやっていませんでした。

あくまでBIG3など基本的な種目に重点をおいて、パワー発揮も大切だからクリーンなどでキレを出すというのが今までの取り組み方でした。

学生時代にクリーンのやり方は学んでいましたが、フォームに対しての不安があり重さを扱うのが怖かったというのがクリーンで重量を扱わなかった主な理由です。先ほど紹介した岩岬からクリーンのフォームとコツを教わり精力的に取り組めるようになりました。

大きな変化としては昨年までの考え方は、最大筋力をBIG3や基本的な種目の扱える重量を伸ばして、最大筋力を上げてジャンプ種目やクリーンで発揮する力に繋げるというものでした。

対して、今年はクリーンの重量にこだわったことによって、クリーンを伸ばすためにもスクワットやデッドリフトで最大筋力を伸ばさなくては上がりっこなかったため追い込み方の質が変わりました。

クリーンで重量を上げるためには、どこにも間違った力発揮をせず、ベクトルがズレないように力発揮の方向をアジャストして重心も上手く扱う必要があります。

結果的に力を効率的に発揮する能力が上がったと感じています。


スプリットルーティンを疑い始めた理由

スプリットルーティン(分割法)とはトレーニングを週の中で身体の部位別に分けて取り組む方法です。

私の場合は12月までは全身を3分割して胸の日、背中の日、足の日としていましたが
1月からは毎回全身を満遍なく鍛える方法を採用しています。

理由は下記Tweetの通りです。(リプに続きがあります)

去年までも瞬発力のなさは課題としていたので、冬の期間に最大筋力を上げて、シーズンが近づいてきたらパワーに繋げられるようにクリーンやジャンプ系種目に多く取り組むというやり方をしていました。

今年は先ほど説明した通り、早い段階からそうした種目に取り組み重量を上げにかかっていましたが、12月頃からクリーンの最大重量が伸びてこなくなり壁を感じていました。

身体をハードに追い込めば追い込むほど回復が間に合わなくなり、結果的にその次のトレーニングで扱う重量が低くなってしまうことがあったため、もしかすると部位別に分けたトレーニングだとダメージが大きすぎるのが問題?という仮説を立てました。

そこで長年取り組んでいたスプリットルーティンを捨てて、年が明けた1月からは種目数を抑えて毎回全身を行うようにしました。

その根拠となってるのが上記Tweetのリプに貼ってある文献となるのでよかったら覗いてみてください。

結果的に少なくとも私の場合は全身を一気に行う方式の方が合っていたようで、そこからさらに重量を伸ばすことに成功しました。

下に昨年の8月から3月にかけての重量の変化を記載します。

  • クリーン 50kg➡︎80kg
  • スクワット 120kg➡︎150kg
  • デッドリフト 140kg➡︎170kg
  • ヘックスバーデッドリフト 170kg➡︎210kg
  • 懸垂 6rep➡︎12rep

8月時点の重量が低いことに言い訳をすると昨年はジムの設立にあたって5月から7月にかけてはトレーニング時間を十分に割けていないところがあったため、筋力が落ちたところからのスタートでした。

ただ、それを差し引いても現在扱っている重量は全種目過去最高重量となっているので今年の冬トレは成功だったと言えます。

もし現在筋力が思うように伸びてこなくて悩んでいる選手はもう一度自身のトレーニングの内容を見直してみてください。意外と自分の中の勝手な常識が足を引っ張っているかもしません。

具体的なプログラムの組み方が気になるという方に向けて、今後ブログ等で紹介するかもしれません。
ただ、まだまだ今のやり方は模索中のところがあるのでここで文章だけで説明するのは難しいです。

繰り返しになりますがコア種目(主人公)として圧倒的に重視したのがクリーン(ほぼ毎回やる)
そして第二軍として重視したのがスクワット、デッドリフト、懸垂です。

この4つの種目がコア種目(主人公)で、他の種目は全て補助種目と考えています。
補助種目と言っても適当に手を抜いてもいいという意味ではないのでご注意を。

上記4つ以外のよく行う種目をあげると、
ベンチプレス、腕立て伏せ、オーバーヘッドプレス、アーノルドプレス、インクラインダンベルプレス、キューバンプレス、ベントオーバーロウ、ワンハンドロウ、ルーマニアンデッドリフト、グッドモーニング、サイドレイズウォーク、ブルガリアンスクワット、フロントスクワット、ウォールプッシュアップ、ウォールスライド、リバースカール、アームカール、リバースプッシュアップ、フレンチプレス、プロネーション、スピネーション、荷重プランク、クランチ、アブローラー、サイドベンド、レッグレイズ、ドラゴンフラッグ、メディシンボール投げ系の種目などがあります。(抜け漏れあるかも)

この中からその日の種目を

  • スクワット系
  • ヒップヒンジ系
  • プレス系
  • ロウ系
  • 体幹トレーニング

の5種類に分類しいくつか選択して行うというのが現在の組み立て方です。
体力が保たないためデッドリフトとスクワットは同日に行うことは殆どありません。

そして、その日の疲労度や日程を考慮しながらメニューを組み立てますが、まだ感覚的な部分もあります。ある意味で今年の1番の変化は教科書通りのメニューの組み方をやめて、「激しく」トレーニングをすることに重きを置いたことにありそうです。


まとめ

140km/hを超えた要因として考えられること

  • 理想のフォームに落とし込むのではなく、力が発揮しやすい形にこだわったこと
  • 自分よりもレベルの高い人達のトレーニングや考え方に触れて常識を壊したこと
  • 爆発力向上のためクイックリフトをトレーニングの中心に置くようになったこと
  • 部位別のトレーニングをやめて全身をバランスよく鍛える方法にシフトしたこと

もともと私の発信を見ている人達はご存知かと思いますが、私は基本的に投球について「これさえやれば」というような裏技みたいなニュアンスを含む発信を嫌います。ただ、そういった発信を嫌うからには何とか自分自身で140km/h程度は投げなきゃという使命感がありました。

そして、今回乗り越えたのは完全なる正面突破でした。

球速を上げるには「ピッチングメカニクス」を改善するか、「フィジカル」を向上させるかこの2つの軸に目を向けることが重要です。

決して「〇〇さえやれば140km/h!」なんて魔法はありません。
誰かにはハマったとしても再現性がありません。

私の発信を見てくれている人達には高校生や大学生、独立リーガーなど若い選手が非常に多くまだまだプロを目指せる選手達が非常に多いですが、現在の野球界でプロに行きたいなら絶対に越えないと行けない最低ラインが140km/hという数字です。

ここを越えないとスカウトには見向きもされないというのをプロ関係者に聞いたことがあります。

私は今年29歳になるのでここからどんなに球速を上げようが注目されることはありません。
逆を言えばこの歳まで140km/hを超えなかった選手でも、球速を大幅に更新することが出来たということは正しくアプローチさえ出来れば年齢は関係ない…若い選手達の可能性はもっと無限大のはずです。

残念ながら私は140km/hを越える裏技は知りませんが、実際に140km/hを努力で越えることができたのでその方法をよく考えながら文章でまとめました。

この記事があなたの心に響いて、パフォーマンスが伸びるきっかけになれば嬉しいです。

では、また!

#140キロプロジェクト達成

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