#41【発信の裏側】「正しさ」だけでは届かない。SNSにおける私の「配球論」と3つの使い分け

ジム経営

こんにちは。東京都世田谷区でパーソナルジムを運営している、パーソナルトレーナーのMOTO(モト)です。

普段は野球の技術やトレーニング理論について発信していますが、今日は少し趣向を変えて、インフルエンサー的な活動もしている一人の人間として、「発信活動の裏側」にある今の私の頭の中を書いてみようと思います。 これは、読者の皆さんへの説明であると同時に、私自身の頭の中の整理も兼ねています。

2019年にYouTubeを始めて以来、長年SNSをやっていると、どうしてもぶつかる壁があります。 それは、「インパクト(拡散)」と「情報の正確性」のバランスです。

指導者として、変に簡略化して誤解を生むことだけは避けたい。 しかし、正確に伝えたいと思えば思うほど、表現は慎重になり、専門的になり、どうしても“堅く”なってしまう。

「正しいことを言っているのに、届かない」 「インパクトを優先すると、本質からズレる」

今日は、何年もこのジレンマと向き合い続けてきた私が辿り着いた、SNS運用における「配球論」についてお話しします。 あくまで「今は」この考え方でやっている、と捉えていただければ幸いです。

1. 永遠の課題:「バズ」と「本質」のジレンマ

まず、SNSにおける残酷な現実があります。 どれだけ有益で正確な情報であっても、まず人の目に留まらなければ「存在しない」のと同じだということです。

内容は尖らせれば尖らせるほど人々に刺さりますが、逆に当たり前すぎる正論を言うと誰にも相手にされません。

  • インパクト重視: 多くの人に届くが、誤解を生みやすい(「これだけで激変!」など)
  • 正確さ重視: 誤解は少ないが、専門的すぎてスルーされる(「〇〇の論文によると…」など)

かといって、再生数を稼ぐためだけに強い言葉を使うのは、本来の意図とズレてしまう。 このバランスに悩み続けましたが、昨年から作戦を変えてショート動画を大量に作り、まずは「数(量)」と「再生数」にフォーカスしてみました。

その結果、ある一つの明確な答えが見えてきました。

2. 発信における「投手の配球論」

その答えとは、「全てを一つの投稿で満たそうとしないこと」です。 ある意味でこれは、投手の配球と同じだな、と気づきました。

ずっとストレート(正論)ばかり投げていても打たれますし、変化球(インパクト)ばかりでも通用しません。 状況や相手に合わせて、球種(媒体)を使い分けるのです。

現在、私は以下の3つの役割を明確に意識して「投げ分け」を行っています。

3. 3つの媒体の役割分担

もし今後、私の発信を見て「おや?」と思うことがあっても、こういう意図があるんだなと知ってもらえたら嬉しいです。

① ショート動画(入り口・実験場) 

ここは「インパクト重視」で、まずは多くの人の目に触れることを優先します。

ただ、全部が全部“釣り”のような動画にするわけではありません。毎日投稿に近い頻度で出せる強みを生かして、「再生数狙いの動画」と「マニアックで正確さ重視の動画」を織り交ぜていきます。 野球やトレーニングの発信は、10人が10人興味を持つわけではありませんが、見せ方を工夫すれば見てくれる人が増える可能性は高まります。

まずは知ってもらうこと。ここが全ての入り口です。 そのためここでは、世間でHOTな話題にスポットを当てることもあります。例えば、ワールドシリーズ期間中はドジャースの選手の情報を多めにしたり、ある選手が報道で話題になった際にはその選手について解説したりと、トレンドに乗ることも戦略の一つです。

②Instagramのストーリーや X(リアルタイム・橋渡し)

ここでは、その時々の思考や、やや「本音」に近い部分を呟きます。

ただ、ここは一番「リテラシー」が問われる場所だとも思っています。今のご時世、たった一言のニュアンスの違いで意図が歪んで伝わり、取り返しのつかないことになる怖さもあります。 だからこそ、リアルタイム感は大切にしつつも、「言葉の選び方」には細心の注意を払って運用しています。

また、私自身もまだまだ現役プレーヤーとして活動しているので、自身のトレーニング風景を発信して自分への「喝入れ」に使ったり、日々の気づきを残す「野球ノート」的な役割としても利用しています。

なので、少し慎重に見える時は「あ、気を使ってるな」と思ってください(笑)。 あと書いてから「厨二病みたいだな…」と照れ臭くなって、すぐ消すことも度々あります。(これは特にXあるあるです)

③ ブログ(核心・研磨した情報) 

そして最近、面白さに気づいて一番力を入れているのが、この「ブログ」です。

ショート動画やXでは語りきれない、小難しくて複雑な理論。これを一度自分の中で噛み砕き、構成を練り直し、誰が読んでも分かるように整える。 1年以上、実験場も兼ねたショート動画で毎日のように発信内容を絞り出していたおかげか、以前よりも「伝えるための言葉選び」のコツが掴めてきている気がします。

今の私の発信媒体の中で、間違いなく一番「磨かれた情報」がある場所です。

私自身、たいして頭が良いわけでもないので、一度学んで「わかったつもり」になってしまっていることが(現在進行形で)多々あります。 そこで、ブログとしてアウトプットを試みることで、改めてインプットし直す。一番発信をしていて学ばせてもらっているのは、実は自分自身だったりします。

4. まとめ:入り口から奥座敷へ

今回のまとめです。

  1. 入り口(ショート動画): まずは興味を持ってもらう。
  2. 橋渡し(X・ストーリー): 人となりや思考を知ってもらう。
  3. 核心(ブログ): 深い学びと、混じりっけなしの本音に触れてもらう。

そんな流れを作ることで、「広めること」と「正確であること」の両立を目指していこうと思います。

そのためにはまだまだブログの本数が少なすぎるので、いつまで今の更新頻度の炎が持つかは分かりませんが(笑)、一旦ブログにフォーカスしてみようと思います。あ、動画の投稿も継続した上での予定なので、そこはご安心を。

動画を見て「もっと詳しく知りたい」と思った方は、ぜひこのブログを覗きに来てください。 そこには、私が時間をかけて磨き上げた「良質な情報」と、たまに「混じりっけなしの本音」を用意して待っています。

また、ロボットでもなんでもない一人の人間の私と皆さんで、協力して野球について考察していけたら素敵だな、とも思っています。

最後までお読みいただきありがとうございました。


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⚾ MOTOについて(筆者プロフィール)
世田谷区でパーソナルジムSTRENGTH & STRETCH を経営しています。

トレーナー歴11年。ゴールドジム、Dr.ストレッチでの経験を活かし、
現在は自身もMAX145km/hの投手としてプレーしながら、
プロアスリートからジュニアまで幅広くサポートしています。
SNS総フォロワーは5万人超。 野球・トレーニング情報を届けています。
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