こんにちは。世田谷区奥沢でパーソナルジム「STRETCH & STRENGTH」を運営している、トレーナーのMOTO(モト)です。
私は普段アスリートから一般の方まで幅広く指導していますが、同時に自分自身のパフォーマンスを上げようと挑戦し続けている現役の野球人でもあります。
先日Instagramで、「ウエイトトレーニングの重要性」と「山本由伸投手や織田翔希選手のように、過度な筋肥大に頼らず身体の使い方を極めて圧倒的なパフォーマンスを出す選手」についての私の考えを発信しました。
今回はその詳細として研究論文などの机上の空論ではなく、「私自身が実際にMAX120km/hから145km/hまで球速を伸ばしてきたリアルなプロセス」を赤裸々に公開します。
※ピッチングの要素は球速だけではありませんが、今回は「ボールへ効率よく力を伝える上手さ≒球速」という仮定のもと、私個人の主観的な実体験ベースでお話しします。
改めて結論から言います。
「ウエイトトレーニングを徹底的にやり込んだからこそ、初めて見えてくる身体感覚の領域がある」ということです。
nstagramでは尺の都合上、細かい過程まで伝えきれていなかったため、今回の記事で「なるほど、そういう流れだったのか」と答え合わせのような感覚で読んでいただければと思います。
先日もちょうど高校時代の野球部の同級生と会ったのですが、「一体何があったの?」と言われてしまうほど、当時の私と現在とでは別人のような投手になっています。
1. 球速アップの軌跡:フィジカルとフォームの変遷
まずは、私がどのようなステップを踏んで球速を伸ばしてきたのか、その現在地までのロードマップをご覧ください。
- 高校時代:MAX 120km/h前後
- フォーム完成度(20点): フォームへの関心は高かったものの、当時はYouTubeやスマホも普及しておらず手探り状態。
- 筋力・柔軟性(30点): 部活でウエイトに取り組むも、ベンチプレス40kg、スクワット50kg程度でやっていた記憶。圧倒的な出力不足。
- 大学時代:MAX 130km/h前後
- フォーム完成度(60点): 軸足の傾きを作れず、踏込脚のブレーキも不十分。いわゆる「開きの早いフォーム」。
- 筋力・柔軟性(50点): 大学での授業やゼミ、またゴールドジムでトレーナー(アルバイト)として猛勉強。BIG3はトータル380kgまで成長。ボックスジャンプやメディシンボール投げなど瞬発力系も精力的に導入。
ちなみに、大学1年生の頃はベンチプレス60kgすら最後まで挙げきれなかった記憶があります。そこから日進月歩で少しずつ扱える重量を伸ばしていったものの、今振り返ると当時は圧倒的に知識が不足していました。(大学1年生の頃は、手足が長いから重量があがらないのかもと他責思考で悩んでました)
- 社会人〜現在:MAX 130km/h ➔ MAX 145km/h
- フォーム完成度(80点): 理想の動作への理解が深まり、卒業後もコツコツ改善を継続。
- 筋力・柔軟性(80点): 硬式クラブチーム所属時にジムを開設。チームメイトの勧めもありクイックリフトを中心に据えるトレーニングの導入などでBIG3はトータル500kgを突破。草野球界隈では頭ひとつ抜けた出力レベルを獲得。
社会人になりたての頃は商社に勤務しており、仕事終わりに終電までトレーニングを重ね、週末は野球漬けという日々を送っていました。その後、さらに競技へ打ち込むために思い切って仕事を辞め、フィットネス業界へ転身。少しずつパフォーマンスを向上させていきました。そして2021年に自身のジムを立ち上げてトレーニング環境が完全に整ったことで、自身の身体に対する理解が本当の意味で一気に深まりました。(この頃に一緒にトレーニングしてくれた人達に特に大感謝)
2. 140km/hの壁と「出力重視」の限界・故障
フィジカルが向上するタイミングに比例して、私の球速は確実に伸びました。しかし、140km/hの大台に乗ったあとも大きな壁にぶつかります。
「もっと球速を出したい」と欲張るあまり、さらにウエイトトレーニングの強度を高めて力任せに出力を上げようとした結果、球速が伸び悩むどころか肘を痛めてしまいました。
幸い軽症で済み、多少ごまかせば投げられる程度にはすぐ回復したものの、ここで私は大きな軌道修正を迫られました。
がむしゃらにパワーをぶつけるのではなく、「身体の使い方」を一から見直し、力をロスなくボールへ伝える「丁寧な投球動作」へとシフトしました。するとどうでしょう。
力みを捨てたため身体の連動性を意識しやすくなり、落ちるだろうなと思っていた球速はむしろ1km/h伸びて自己最速の145km/hをマークしたのです。
この時期にメジャーへ挑戦した山本由伸投手の「BCエクササイズ」やヨガの概念に触れ、本格的に学び始めました。力を込めるような意識をやめ、骨格や脱力、連動を意識し始めたことで、身体への負担は劇的に減り、パフォーマンスの再現性は驚くほど安定しました。また、WECK METHODを知って取り組み始めたのもこの頃になります。
3. なぜウエイトをやり切った人間ほど「身体感覚」に辿り着くのか
私の実体験から言える確かな事実は、「土台となる筋力が向上したタイミングで球速が大きく伸びたのは事実。しかし、そこからのもうひと伸びを作ったのは、ウエイト偏重から脱却した『深い身体操作との対話』だった」ということです。
現在私は、基礎的なウエイトトレーニングを土台としつつ、別メニューとしてヨガやWECK METHODのコイリングコア系トレーニングを導入しています。
コイリングコア(Coiling Core)とは? 世界的なムーブメントコーチであるデビッド・ウェック(David Weck)氏が提唱する身体操作理論。体幹を単なる「固める筒」としてではなく、側屈や回旋を使って「螺旋(コイル)状に縮めてバネのように使う」ことで、四肢への爆発的な連動とパワー伝達を生み出すトレーニングメソッドです。気になる方はこちらの記事をご覧ください。
その成果として、先日行った球速測定でも144km/hを記録しました。以前は「試合のマウンドでアドレナリンが出たとき」しか出せなかった140km/h台中盤が、今や「ただの計測」でもコンスタントに出せるようになっています。この感覚があるからこそ、私はまだ球速が伸びると確信しています。
誤解してほしくないのは、「じゃあ最初からウエイトなんてやらずに、ヨガや身体の使い方だけやればいいのか?」というと、決してそうではありません。
- 前提条件: ベーシックな種目で基礎筋力を高め、よく食べ、よく眠り、身体を大きくすること(=エンジン作り)。
- 発展条件: その大きなエンジンを自在にコントロールするために、身体の声を聴き、構造を深く理解すること(=運転技術の深化)。
基礎的な筋力がない状態で身体の使い方だけを真似ても出力の上限は知れていますし、逆に筋力だけを高めて身体の声を無視すれば、かつての私のように故障や停滞を招きます。
本日のまとめ
- 球速アップのベースはフィジカル: 基礎的な筋力(BIG3やクイックリフト等)の向上は、出力を高めるための絶対条件である。
- 140km/h以上の領域は「身体操作」が分ける: 力任せの出力アップには限界があり、故障のリスクが跳ね上がる。丁寧な連動性へのアプローチが不可欠。
- ウエイトを極めた先にある感覚: 土台となる筋力(素材)を作った上で、ヨガやコイリングコアなどの繊細な身体操作(調理)を掛け合わせることが、最速で天井を突き破るルートである。
私自身、少々頭でっかちになりがちで、「知識として理解したことを、身体でも体現できていると錯覚してしまう」という悪癖がありました。そのせいで、人よりも遠回りをして成長に時間がかかってしまったと反省しています。
時間をかければ体現できるようになることは私自身が証明していますが、現役の選手にとって時間は有限であり、あまりにももったいないことです。だからこそ、この記事を読んでいる皆さんには、私と同じ失敗を繰り返さず、最短ルートで突き抜けてほしいと強く願っています。
私はこの先、間違いなく150km/hの壁を突破します。
そのプロセスや挑戦の様子も発信していきますので、ぜひ一緒に見届けていただけたら嬉しいです。
この記事が、少しでもあなたの気づきや勇気になったなら、「感想」や「シェア」をいただけると、次の記事を書く大きな原動力になります!
では、また!
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⚾ MOTOについて(筆者プロフィール)
世田谷区でパーソナルジムSTRENGTH & STRETCH を経営しています。
トレーナー歴11年。ゴールドジム、Dr.ストレッチでの経験を活かし、
現在は自身もMAX145km/hの投手としてプレーしながら、
プロアスリートからジュニアまで幅広くサポートしています。
SNS総フォロワーは5万人超。 野球・トレーニング情報を届けています。
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